Black Shadow Shrimp

ブラックシャドーシュリンプ

ブラックシャドーシュリンプ

基本情報

属
Caridina属
学名
Caridina logemanni 系統を基礎とする改良系統
系統
シャドーシュリンプ(Taiwan Bee/台湾金剛系)
体長
成体で約2〜3cm

特徴

ブラックシャドーシュリンプは、黒を基調とした体色に白い模様を持つCaridina属の観賞用シュリンプです。

黒一色に近い個体から、黒と白が帯状に分かれる個体までさまざまな表現があり、黒色部分を中心に青みを帯びる個体も多く見られます。

この青みを含んだ独特の発色は、ブラックシャドーを特徴づける要素のひとつです。ブラックビーシュリンプのように表面を覆うような発色とは異なり、下層の濃い色が透けて見えるような独特の発色を示します。

単に体が透明に見えるのではなく、透明感を残しながら濃い黒や青が重なって見えることで、奥行きを感じさせるのがシャドー系の特徴です。光の当たり方によって黒から濃紺、青みを帯びた黒へと見え方が変化する個体もいます。

日本では、こうした黒を基調とするシャドーシュリンプを大きく「ブラックシャドー」と呼び、その中にキングコング、パンダ、フルブラックなどの表現を含めて扱うことが一般的です。

系統・歴史

ブラックシャドーは、日本で「シャドーシュリンプ」と呼ばれるようになった改良Caridinaのうち、黒色を基調とする個体をまとめた呼称です。

その起源をたどると、台湾で発展した「金剛系」と呼ばれるシュリンプへとつながります。

台湾では2000年代にビーシュリンプの品種改良が進み、その過程で従来のブラックビーとは異なる発色を持つ個体が現れました。初期に確認された変異個体から選別と交配が重ねられ、やがて黒金剛、藍金剛、酒紅などへと発展していきます。

一方、台湾や欧米では、日本と同じように「ブラックシャドー」という名称で黒系個体すべてをひとつの品種として分類することは一般的ではありません。

台湾では「黒金剛」など金剛系の名称が使われ、欧米ではTaiwan Beeという系統群の中でKing Kong、Pandaなど、それぞれの表現名で呼ばれてきました。

日本では、こうした台湾由来のシュリンプが導入される過程で「シャドーシュリンプ」という名称が広まり、その中でも黒を基調とする個体をまとめて「ブラックシャドー」と呼ぶようになりました。

そのためAtWellでは、ブラックシャドーを台湾で成立した単一の品種名としてではなく、台湾の金剛系を起源とするシャドーシュリンプのうち、黒を基調とする表現をまとめた日本での呼称として整理しています。

キングコング・パンダ・フルブラック

ブラックシャドーには、黒と白の入り方によってさまざまな模様が現れます。

代表的なのが、キングコング、パンダ、フルブラックです。

キングコングは黒色部分の面積が大きく、白色部分が比較的少ない表現です。

パンダは黒と白が帯状に分かれ、白色部分が比較的はっきり残る表現です。

フルブラックは白色部分がほとんど見られず、全身が黒色に近くなる表現を指します。

これらは飼育方法や基本的な性質が異なる別品種ではなく、ブラックシャドーの中に現れる模様の違いです。同じ繁殖群から異なる模様を持つ個体が生まれることもあります。

そのためAtWell百科では、キングコング、パンダ、フルブラックをそれぞれ独立した品種とはせず、ブラックシャドーシュリンプに現れる代表的な表現として扱います。

ブラックビーシュリンプとの違い

ブラックシャドーシュリンプとブラックビーシュリンプは、どちらも黒と白を基調とするため、外見だけを見るとよく似ています。

しかし、その成立の歴史と発色には違いがあります。

ブラックビーシュリンプは、黒と白のBee Shrimpを長年選別し、黒色や白色の発色、模様などを改良してきた系統です。

一方のブラックシャドーは、台湾で成立した金剛系を背景に持つShadow/Taiwan Bee系統の黒系表現です。

見た目にも違いがあり、ブラックビーでは黒色や白色が比較的不透明に発色するのに対し、ブラックシャドーでは黒色部分に透明感や青みが現れやすく、光の当たり方によって濃紺のように見える個体もいます。

どちらも黒と白のBee Shrimpを思わせる外見を持っていますが、ブラックビーとブラックシャドーは、単純に同じ品種の色やグレード違いとして扱うものではありません。

ブラックビーの成立については「ブラックビーシュリンプ」の項で詳しく紹介しています。

ターコイズシャドーとの関係

ブラックシャドーの繁殖では、ターコイズシャドーによく似た青白い個体が現れることがあります。

そのためブラックシャドーとターコイズシャドーは、完全に切り離された別系統というよりも、同じシャドー系の中で現れる異なる色彩表現として見ることができます。

ブラックシャドーでは黒色が発色するのに対して、ターコイズシャドーでは黒色が発色せず、青白い体色が全身に広がります。

一見するとまったく異なる品種のように見えますが、繁殖上は密接な関係にあることも、シャドー系シュリンプの特徴のひとつです。

ターコイズについては「ターコイズシャドー」の項で詳しく紹介します。

シャドーシュリンプの起源

ブラックシャドーを含むシャドーシュリンプの成立については、長年さまざまな説が語られてきました。

ビーシュリンプから生じた突然変異とする説、タイガー系など近縁のCaridinaとの交雑が関係したとする説などがありますが、現在残されている資料だけから、その起源を単純なひとつの交配として説明することは困難です。

台湾に残された資料をたどると、初期に確認された変異個体を出発点として、選別と交配を重ねながら金剛系が形成され、その後さまざまな色彩や模様へ発展していった過程が見えてきます。

AtWellでは、台湾の金剛系、欧米のTaiwan Bee、日本のシャドーシュリンプという名称の違いも含め、その成立過程を別記事で詳しくまとめています。

→ シャドーシュリンプの起源と成立について詳しく見る