SHRIMP GLOSSARY
淡水シュリンプの飼育や品種、生態について調べる際に使われる用語をまとめています。
飼育、水質、繁殖、体のしくみなど、シュリンプに関わる言葉を分かりやすく解説します。
英数字
あ行
か行
さ行
- 浄水器
-
浄水器は、水道水などをフィルターや膜に通し、水中に含まれる特定の物質を除去・低減する装置の総称です。
家庭用、アクアリウム用などさまざまな製品がありますが、
用途や商品名だけで性能を判断することはできません。
家庭用として販売されているものの中にも高度な膜ろ過を行う製品があり、
反対にアクアリウム用でも目的を限定した比較的単純な構造のものがあります。シュリンプ飼育で浄水器を使用する場合は、
「何用の浄水器か」ではなく、「どのような仕組みで、何を除去する装置なのか」
を確認することが重要です。一般的な浄水器では、活性炭、中空糸膜などのろ過膜、イオン交換、
RO(逆浸透膜)などが単独または組み合わせて使用されています。活性炭は、残留塩素や一部の有機物などを吸着します。
家庭用浄水器でも広く使われていますが、通常はカルシウムやマグネシウムなどの
溶存イオンまで取り除くものではありません。中空糸膜などのろ過膜は、微細な孔によって粒子や濁りなどを物理的に除去します。
膜の種類によって除去できるものは異なりますが、一般的な中空糸膜では、
水に溶けているカルシウムやマグネシウムなどのイオンは通過します。イオン交換は、特定のイオンを樹脂などによって除去・交換する方式です。
家庭用浄水器にも採用されており、方式によってはカルシウムやマグネシウムなども除去され、
元の水道水より低ミネラル・低GHの水になる可能性があります。
シュリンプ飼育に使用する場合は、どのようなイオンを除去・交換する製品なのか確認することが大切です。RO(逆浸透膜)は、水中の溶存イオンを含む多くの成分を大幅に除去します。
RO水は元の水道水とは大きく異なる低ミネラルの水になるため、
シュリンプ飼育では必要に応じてミネラルを添加し、GHなどを調整して使用します。また、「塩素除去」と表示されている浄水器であっても、
それだけでカルキ抜きが完全にできるとは限りません。
除去できる物質や除去率、使用できる流量、カートリッジの交換時期などは製品によって異なります。
カルキ抜きの代わりとして浄水器を使用する場合は、まず製品の取扱説明書や仕様を確認してください。浄水器を通した水=シュリンプに安全な水、というわけではありません。
ほとんどミネラル組成が変わらない浄水器もあれば、
イオン交換やROのように元の水道水とは大きく異なる水をつくるものもあります。
使用している浄水器が「何を除去し、何を残すのか」を確認し、
その水質を把握したうえで使用することが大切です。 - ソイル
-
水槽の底に敷く底床の一種で、土を粒状に固めたものです。
製品によって性質は異なりますが、水質を調整する作用を持つものが多く、
水草水槽やシュリンプ水槽で広く使われています。アクアリウム用のソイルには非常に多くの種類がありますが、
性質の違いから大きく「吸着系」と「栄養系」に分けて説明されることがあります。吸着系ソイルは、水中のさまざまな成分を吸着する性質を利用したソイルです。
立ち上げ初期の水質を比較的管理しやすい製品が多く、
シュリンプ飼育用として販売されているソイルにも多く見られます。栄養系ソイルは、植物の生育に利用される栄養分を多く含んだソイルです。
水草をしっかり育てることを目的とした水草水槽では、基本的に栄養系ソイルが適しています。
一方で、製品によっては立ち上げ初期にアンモニアなどが多く溶出するため、
シュリンプをすぐに入れられるとは限りません。このほか、「ビーシュリンプ用」「シュリンプ用」など、
特定のシュリンプの飼育を目的としたソイルも販売されています。
それぞれの製品が持つ水質調整作用を利用して、
飼育するシュリンプに適したpHや硬度などの水質をつくることができます。シュリンプ飼育では、必ずしもソイルを使用する必要はありません。
特にチェリーシュリンプなどのNeocaridinaでは、砂や砂利、大磯砂などでも問題なく飼育できます。
AtWellでも、扱いやすく安価な大磯砂を使用している水槽があり、
こうしたシンプルな底床でも健康に育てることができます。一方で、Neocaridinaであっても、苔やバイオフィルムをじっくり育て、
シュリンプが常に餌を探せるような成熟した水槽をつくる場合には、
栄養系ソイルを利用する方法もおすすめです。
AtWellでは、繁殖用にセッティングする水槽はボックスフィルターに栄養系ソイルを入れ、
時間をかけて水槽を立ち上げる方法をとっています。つまり、「シュリンプだからこのソイル」という決まった答えがあるわけではありません。
飼育する種類や目標とする水質、水草を育てるかどうか、
苔やバイオフィルムを含めてどのような環境をつくりたいのか、
そして日常のメンテナンス方法まで考えて選ぶことが大切です。
た行
- 底床(ていしょう)
-
水槽の底に敷く砂や土などの総称を「底床(ていしょう)」といいます。
底床には、ソイル、砂、砂利、大磯砂などさまざまな種類があり、
粒の大きさや性質、水質への影響などもそれぞれ異なります。
飼育する生き物や水草、作りたい水槽に合わせて使い分けます。シュリンプ飼育では、底床としてソイルがよく使われています。
特にビーシュリンプなどのCaridinaでは、ソイルが持つ水質調整作用を利用して、
飼育に適した水質をつくる方法が広く用いられています。一方、チェリーシュリンプなどのNeocaridinaでは、
必ずしもソイルを使用する必要はありません。
砂や細かな砂利、大磯砂などでも飼育でき、
掃除や長期的なメンテナンスのしやすさから、
これらの底床が扱いやすい場合もあります。また、シュリンプを飼育するために底床を必ず敷かなければならないわけではありません。
繁殖や日常の管理を重視する水槽では、
底に何も敷かない「ベアタンク」で飼育することもできます。そのため、底床は「シュリンプ飼育にはこれ」と決めて選ぶのではなく、
飼育するシュリンプが必要とする水質と、どのような水景や管理方法にしたいかを
考えて選ぶのが基本です。
な行
は行
- バイオフィルム
-
水中の石や流木、水草、底床、ガラス面などの表面に、細菌をはじめとする微生物が付着し、それらが分泌する粘液状の物質とともに形成する膜状の集合体をバイオフィルムといいます。
バイオフィルムは単一の生物ではありません。
細菌を中心に、微細藻類、菌類、原生生物などさまざまな微小生物が関わり、そこに有機物の微粒子なども取り込まれた複雑な構造をつくります。新しく立ち上げた水槽でも、時間が経つにつれて流木や石などの表面に薄い膜やヌメリが見られるようになります。これらの中にはバイオフィルムとして形成されたものが含まれます。水槽が成熟していく過程で、目には見えない程度のものも含め、さまざまな場所に形成されていきます。
シュリンプにとってバイオフィルムは重要な餌場です。
NeocaridinaやCaridinaなどの淡水性シュリンプは、表面を脚で掻き取りながら、バイオフィルムを構成する微生物や微細藻類、そこに付着した有機物などを継続的に摂食します。特に人工飼料を十分に食べることができない稚エビにとって重要な餌資源となるため、シュリンプ水槽では単に水質を整えるだけでなく、バイオフィルムが十分に形成された環境を用意することが、安定した飼育や繁殖につながります。
水槽内に独立したケースを設置し、ケース内部にろ材、ソイル、砂利などを入れて使用するろ過器です。
水中モーターではなく、外付けのエアーポンプを用いたエアーリフトによってケース内部に水を通し、
ろ過を行います。
台湾で生まれ、シュリンプ飼育を中心に普及したろ過方式で、
日本では「台湾式フィルター」と呼ばれることもあります。
一般的な熱帯魚や水草水槽ではあまり見かけない方式ですが、
現在では世界中のシュリンプブリーダーに広く使われています。
ボックスフィルターの特徴のひとつは、
ケース内部に入れるものによって、その役割や効果を変えられることです。
一般的なろ材を入れて生物ろ過を中心に利用するほか、砂利などをろ材として使用したり、
ソイルを入れて、その水質調整作用を利用したりすることもできます。
特にシュリンプのブリードでは、理想とする水質をつくり、維持するために、
それぞれのソイルが持つpHや硬度などの水質調整作用を選択的に利用する目的で、
ボックスフィルターが使われることがあります。
水槽全体の底床としてソイルを敷く場合とは異なり、ソイルをケース内にまとめて使用できるため、
水質や飼育方針に合わせて使用する素材を選択しやすいことも利点です。
また、ケースが水槽内で独立しているため、
ろ材やソイルの交換、清掃などのメンテナンスを行いやすいことも大きな特徴です。
水槽全体をリセットすることなく、必要に応じてケース内部のろ材やソイルだけを交換できるため、
多数の繁殖水槽を管理するシュリンプブリーダーにも適した方式です。
ボックスフィルターは中級者以上向けのろ過方式として紹介されることもありますが、
AtWellでは初心者にもおすすめしています。
構造がシンプルで扱いやすく、内部の状態を確認しながらろ材やソイルの交換ができるため、
シュリンプ飼育を始めたばかりの方にも使いやすいろ過方式です。
一方で、水槽内にケースやパイプが露出するため、
一般的なレイアウト水槽のような美しい水景をつくりにくいというデメリットがあります。
観賞性を重視した水草水槽よりも、飼育や繁殖、メンテナンス性を重視する水槽に向いています。

ま行
や行
ら行