Black Bee Shrimp

ブラックビーシュリンプ

ブラックビーシュリンプ

基本情報

属
Caridina属
学名
Caridina logemanni
系統
ビーシュリンプ系
体長
成体で約2〜3cm

特徴

ブラックビーシュリンプは、黒と白のコントラストを特徴とする Caridina logemanni の観賞用品種です。

レッドビーシュリンプと並んでBee Shrimpを代表する品種ですが、その歴史はレッドビーよりも古く、レッドビーシュリンプ誕生の出発点となった黒白のBee Shrimpの姿を受け継ぐ品種でもあります。

現在では長年の選別改良によって、黒色と白色の発色が濃く、色の境界が明瞭な個体が作られています。

ブラックビーシュリンプ最大の特徴は、黒と白によって作られる鮮明な模様です。野生の Caridina logemanni にも黒~暗褐色と白色の模様が見られますが、現在飼育されているブラックビーでは、長年の選別によって色の密度や白色部分の発色が大きく向上しています。

模様にはレッドビーと同じように、バンド、日の丸、進入禁止、モスラなどさまざまな表現があります。かつてはA・S・SS・SSSやK0~K14などのグレード分類も広く使われました。模様やグレード分類については「レッドビーシュリンプ」の項で詳しく紹介しています。

系統・歴史

ブラックビーシュリンプの起源を考えるうえで重要なのが、レッドビーシュリンプが誕生する以前から、黒と白のBee Shrimpが存在していたということです。

1998年に鈴木久康氏自身が発表した資料では、Bee Shrimpは香港を起源とする小型のシュリンプとして紹介され、元のBee Shrimpは黒と白、その中から発見された突然変異個体は赤と白であったことが説明されています。つまり、少なくともレッドビー作出時の母体となった飼育個体群は、黒と白のBee Shrimpでした。

その後長い間、観賞用Bee Shrimpは Caridina cantonensis や Caridina cf. cantonensis などの学名で扱われていましたが、2014年、Werner KlotzとThomas von Rintelenによって香港のBee Shrimpが新種 Caridina logemanni として記載されました。

この研究では野生個体だけでなく、アクアリウムで流通していた「bee shrimp」も C. logemanni として遺伝解析に使用されています。また、原記載された野生個体にも黒~暗褐色と白色の模様が確認されています。

現在のブラックビーに見られる鮮明な黒白模様は長年の人為選別によって発達したものですが、黒と白を基調とする体色そのものは、Bee Shrimpの野生個体にも見られる特徴です。

そのためブラックビーは、レッドビーから作られた黒色品種ではありません。むしろ、黒白のBee Shrimpを起点として、その発色や模様を観賞用品種として磨き上げてきた系統と考えるのが適切です。

レッドビーシュリンプがこの黒白のBee Shrimpからどのように誕生したのかについては、「レッドビーシュリンプ」の項で詳しく紹介しています。

ブラックビーとレッドビー

ブラックビーとレッドビーは、外見上は黒と赤という大きな違いがありますが、品種としての歴史は密接につながっています。

1990年代、鈴木久康氏が飼育していた黒白のBee Shrimpから赤色の突然変異個体を発見し、その赤色を固定していったものが、後のCrystal Red Bee Shrimp、そして現在のレッドビーシュリンプへとつながりました。

黒白のBee Shrimp → 赤色突然変異の発見 → Crystal Red Bee Shrimp/Red Bee Shrimp

ただし、現在「ブラックビーシュリンプ」と呼ばれている個体は、当時の黒白Bee Shrimpをそのまま維持したものと考えるべきではありません。レッドビーと同様に長年にわたって選別され、黒色、白色、模様、色の境界などを改良してきた観賞用品種です。

レッドビーの作出と名称の詳しい経緯については、「レッドビーシュリンプ」の項を参照してください。

現在のブラックビーシュリンプ

多種多様な改良Caridinaが登場した現在でも、ブラックビーシュリンプは飼育・選別され続けています。

その魅力は非常にシンプルです。黒と白という二色の中で、どこまで美しいシュリンプを作ることができるのか。 黒色の濃さ、白色の質、色の境界、模様、そして体型など、基本的な要素の完成度そのものを楽しむことができます。

またブラックビーシュリンプは、レッドビーシュリンプと同様に、その後のCaridinaの品種改良でも育種素材として利用されてきました。現在流通しているさまざまな改良Caridinaでは、赤系の表現はレッドビー、黒系の表現はブラックビーを基礎として選別された、あるいはそれらと交雑可能な近縁種との交配によって作出されたと説明されることが多くあります。

ただし、現在のCaridinaには複数の系統を経て作られた品種も多く、古い品種ほど作出過程を確認できる資料も限られています。そのため、外見上の赤や黒だけから、その品種の祖先や交配経路を単純に判断することはできません。

ブラックビーシュリンプは、観賞用Caridinaの歴史をたどるうえで欠かすことのできない存在であり、現在もBee Shrimp本来の黒と白の美しさを追求する品種として飼育・改良され続けています。